あなたが旅に出れない理由

恵まれた彼女が岐路に立った理由

先日、ある一人の若い女性と話す機会がありました。
彼女は外資系の大企業に勤めています。外資系ながらもそれなりの福利厚生があり、また、安定した給料が約束されていました。新卒で入社して数年ですが、一般的に見れば高水準の報酬を得て、忙しいながらも周りから見れば明らかに羨ましがられるような恵まれた環境にいました。
 
しかし彼女は、結婚すると思っていた学生時代からの彼との破局を経て、自分の中に新しい感情が芽生えたことに気づきました。
「このままでいいのか」
 
 
彼女の場合は恋人との別れがきっかけでこの感情の芽生えが起こりましたが、これはどんな人の中にでもいつだって沸き起こりうる感情です。
彼女は学生時代から海外での生活に憧れていました。未知の環境で自分を試したいと思っていたのです。
 
しかし、周りと同じように日本で就職活動をし、周りと同じように日本にある企業に勤めました。彼と結婚すると思っていたし、持っているものが多すぎてそれを置いて海外へ行く道を学生時代の彼女は選べなかったのです。
 
ただ、彼女は、「そのまま日本で会社勤めを続けるか」それとも「海外へ出て行ってやってみたいことに挑戦するのか」の岐路に今再び(今回はきちんと)立つことができました。

彼女の選択

私は海外に出ること(新しく何かをチャレンジし始めること)を勧めました。そのコスト(代償)以上の価値があると考えるからです。このアドバイスに対して、就職活動当時の彼女ならおそらくこう答えたでしょう。
 
『海外いいですよね。でも、お金はどうしたらいいでしょうか?それに言葉の壁もあるし。仕事は見つかるかな?何より彼のこともあるし……。』
 
しかしながら、現在の彼女はこう答えました。
 
「はい、行ってきます。」
 
何が彼女を変えたのでしょうか。そして、彼女のようになるにはどうすればいいのでしょうか。

あなたの障害物は何か?

彼女のターニングポイントは「彼との別れ」かもしれません。でもそれはきっかけに過ぎません。たまたまこのタイミングで、それが来ただけで、結局最後は心で自分の行動を決定しないといけません。
そもそも彼がいても海外へ行くことはできるだろうし、また一方で、日本でそのまま勤めてコンパに行き、新しい素敵なパートナーを見つけることも可能なのですから。
 
しかし、こういった内なる声が出た時によく取ってしまう行動があります。
それは「理由付け」です。『でも、……』から始まるこれは、良くも悪くも進むのを阻害するクリティカルなワードです。
 
「でも、お金がないし。」
「でも、会社を辞めるわけにはいかないし。」
「でも、言葉が不安だし。」
「でも、失敗したら怖いし。」
「でも、でも、でも、………。」
 
それは、しばしばあなたの本当にやりたいこと、進みたい道を邪魔してしまうかもしれません。
安全に整備された今の道から、何もないガタガタの新しい道に進むことは当然誰だって躊躇します。しかし、その先にあるものを想像して進めるかどうか、そしてその途中すら楽しもうと思うことでだいぶ気持ちは軽くなります。
 
「ガタガタ道は危ないし怖い」と、リスクばかりに目を向けていたら一生進めません。
リスクがありながらも、その道に興味があるなら進めばいいし、もし怖くて進めないなら「進まない」ということを決心してもうそのことについて考えないほうが、よっぽど精神衛生的には良いのです。一番良くないのは、なにも考えずに、もしくは何も決めることもできずに、その場にいて「あーだ、こーだ」と手ぐすねを引いてるふりをして二の足を踏んでいることです。

自分自身に成長する機会を与えられるかどうか

『人生は時間に限りがあるんだから』とか、人生に対して鳥瞰的な発言はできませんが、たった一歩踏み出すだけができる岐路にいるのであれば、ぜひ自分自身に『成長する機会』を与えてください。
 
 
それが、海外に出ることなのか、よく聞く「自分探しの旅」なのか、はたまた、積極的な選択としての残留なのか、それはその人それぞれの選択だと思いますが、『目的を持って、体験したことないことをしに自分の世界の外側へ行く』ことは、必ずあなたが成長する機会になると思います。